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PR:3つの試練? そして……

リングタウンで待機中、俺は「森で迷子になった老人の保護」というミッションを受けた。
この老人というのがくせ者で……
とにかく態度がでかく、人にもポケモンにもすぐに噛み付く。
老人の名はラゴウ……正直、今後僅かでも関わりたくない男だったよ。
だがそうも言っていられそうにない……俺の直感が、そう告げている。
これと言った証拠などがあるわけでもないが、
あのご老体、ゴーゴー団と関わりがあると睨んでいる。
それもあの態度から、かなりの重席ではないかと……
嫌でもあの不快な老いぼれと、今後も関わっていきそうだ。
そんな事を考え不機嫌になっていた俺に、直ぐさま連絡が入った。
サマランドのカムリが、先日のお礼を渡したいから来てくれとのことだった。
ミッションを終えレンジャークラスが7になった俺は
カイリューバスの利用許可を得て、サマランドへ。
ラプラスに乗ってくるのも風情があって良いが、
カイリューバスはとにかく早い。あっと言う間にサマランドにたどり着いた。
まあ……快適とは言い難いのがちょっと問題だけど
「あらら、大丈夫? 飛ばしすぎた?」
いや問題ない。ありがとなカイリュー
「うん。ボクはこっちのレンジャーベースで待機してるから、帰る時に声を掛けてね」
了解。受け取ってすぐ戻るつもりだから……
「ゆっくりしていかないの? ご主人様」
あの森でゴーゴー団の下っ端を見かけたことがやはり気になるからな
それとも……ヒナタとこっちに来ているプラスルが気になるか? マイナン
「別にそういうわけじゃないけど……」
ハハ、まあヒナタだってミッションでこっちに来てるんだ。どのみちゆっくり出来ないだろう
まあいい、とにかくベースに行こう。お、誰かいるな
「やあタカマル。元気にキャプチャしてるかい?」
よおポンプ。そっちも元気そうだな
「リーダーに呼ばれてサマランドに来たんだよね? 今呼んでくるからここで待っててくれよ」
ああ、頼むよ……ってすぐ出て来たな。カムリだけでなくラスカもか。
「オー、タカマル! ウェルカムウェルカム! この前のお礼にあげたい物があるんだ! レンジャーベースに置いてあるから、早く中に入って!」
なんかわざわざ待っていたようだなあ。
元々陽気な人だが、今日もテンション高いな。先に行っちゃったよ。
反面……苦笑いを浮かべているのはラスカ。どういうこと?
「タカマル、可哀想に……リーダーはワケ判らない物をプレゼントたがるクセがあるの。悪気はないんだけど、それが逆に厄介なのよね」
なにそれ、とても不安なんだが……まあいい、とにかく中へ入ろう。
「……なんか、どでーんとヘンなのが置いてあるね?」
マイナンが言うように、「ヘンな物」としか形容しがたい物体が、ロビーに鎮座している。
鉄製なのは見て取れるが、くぼみの中には色々と聞きらしき物も見える。
なんというか、何かのコクピットだけ取り出したような? そんな物だな
もしかして……これが?
「どうだ! すごいだろう? サラフの海で拾ったのさ。これを君にあげるよ。プレゼントフォーユーだ!」
いやあの……ナニコレ?
「それは一体何かって? 横にいるメカニックが上手い説明をしてくれるよ!」
そこは人任せなのかよ……で、なんですかコレは?
「こいつは海の中を潜れる乗り物だね。かなり昔に作られた乗り物で、確か「モーグル号」っていう名前だったかな」
潜水艇なんだコレ……言われれば確かにそんな感じも……
「でもこんな状態じゃ誰が見たって単なるでっかいガラクタだな」
ですよねー
「もしもパーツさえあれば蘇らせることが出来るかも知れないけどね」
パーツがあれば……か。
無ければどっちにしてもガラクタなのに変わりはないか
「いや! いやいやいや! これはガラクタではない! このままでも充分素晴らしいアートじゃないか! 眺めてるだけでウットリ出来るぞ? ガラクタとか言わないでくれよ!」
残念ながら、俺にそんなアート感覚は無いんだけど……
うわぁ、ラスカが言っていた意味が判った。
これどうしたもんかな……カムリがえらくご機嫌なのが尚更困った状況に……
「あらタカマル! こっちに来てたんだ。どう? クラスアップは順調?」
俺が困り果てたところに、ヒナタがベースにやってきた。
やあヒナタ……まあ順調と言えば順調だけどさ
「そっか……あっ、カムリさん、質問良いですか」
空気を読まずに、ヒナタがカムリに話しかけた。
いや、これはもしかして空気を読んでのことか? まあどちらにしても助かったな
「パトロールしていたらジャングルの奥で見つけた大きな古い建物……あれは一体なんですか?」
遺跡……ああ、前にニョロトノ騒動の時に下っ端を追い詰めた、あそこの遺跡か。
「あれはジャングルの遺跡だ。遺跡には「4つの試練」と呼ばれている物があって、昔からレンジャーの腕試しの場所になっている」
へぇ……ってことはあの遺跡は奥へ入れたのか。
「ただ……その試練には古くから妙な言い伝えがあってね。4つの試練を全てクリアしてしまうと、災いが起こると言われているんだよ。若い頃にハヤテやジョウも腕試しをする為にあそこへ行ったことがある……」
腕試しねぇ……カムリもやったことがあるんですか?
「私? 私はそういう危ないことはしない主義なんでね。もし時間があるなら行ってみるのもいいかもしれないよ」
「ねえタカマル。腕試しにもってこいだし、ジャングルの遺跡に一度行ってみない?」
いや、そんな時間はないというか、戻って気になることを調べたいんだが名……
「そんなこと言わないで遺跡に行ってみようよ!」
いやだからな……ったく、ヒナタは強引なところがあるよなぁ
「そうだね。それはよぉく知ってるよ……」
プラスルが「諦めて」って顔で俺を見ている……ったく、しょうがねぇなぁ
「そうこなくっちゃ! 流石タカマル!」
流石も何も……はぁ、俺も甘いねぇ。
「女の子にはね……」
嫌味にしか聞こえないぞマイナン。まあ今は甘んじてその嫌味を受け入れるが……
「試練に挑戦するなら、遺跡の中に入る方法を教えてあげよう。ジャングルの奥にある高台に遺跡の入り口がある。前にタカマルがニョロトノを救ってくれた場所だよ。そこに不思議な形の石の彫刻があるから、そこのどこかに隠された秘密のスイッチを押せばいい。そうすれば地下へと続く階段が出てくる。気をつけて行ってくるんだよ」
「石の彫刻ですね? 了解です! それではジャングルの遺跡にしゅっぱーつ!」
試練に立ち向かうって緊迫感はないなぁ……
「一つ気をつけて欲しいのは、試練を4つともクリアしちゃいけないって事。3つクリアした時点で帰ってくること。それさえ守れば大丈夫だ」
なんかそれがさっきから妙に引っかかってるんだが……
そもそも、そんなに大変な試練にしては中へはアッサリ入れるってのもなんだかな
「確かにね。私はやってないからよく判らないけど、ハヤテやジョウが「腕試し」で乗り越えられるくらいの試練だから、その気になれば4つの試練は腕のあるレンジャーなら難しくなさそうなんだよね」
うーむ……なんか色々と気になるなぁ……
「もう、そんな事悩んでたって仕方ないでしょ? ホラ、早く行きましょうタカマル!」
ああ判ったよ……全く、困ったお嬢さんだ

「あっ、そういえば! その橋を渡ったところにカビゴンが寝ていたわよね?」
遺跡に行く道中、ヒナタが思い出したように言い出した。
「きっとまだあのままだと思うんだ。道をふさがれて困ってる人がいなければいいけど……」
まあ邪魔ではあるが……そもそもあの先に何があるんだ?
「さあ……私は知らないわ」
そうか。まあ生活道じゃないだろうし、問題ないんじゃないか?
「そうね。もし依頼があった場合は何とかしないといけないけど、今のところは大丈夫……!?」
ん?
「プラスル! マイナン! 何処行くの!?」
俺とヒナタが目を話している間に、二人が話題にしていたカビゴンに向かっていった。
そして二人は……カビゴンの腹によじ登り、上で跳ねて遊んでやがる
「ね、スゴイでしょ?」
「ホントだ、面白いね!」
そりゃ弾力あるだろうし、寝てるカビゴンはこの程度じゃ起きやしないだろうけど……
「なにしてるの!」
ヒナタが慌てて二人に駆け寄る
なにやってんだアイツらは……
「カビゴンが可哀想でしょ! 止めなさい!!!」
流石に跳ねるのを止めた二人だったが、まだカビゴンの上にいる。
「カビゴンから降りなさい!」
ヒナタがあんな剣幕で怒るのは始めて見たな。
まあそんなにヒナタのことを知っているわけではないけどさ。
イタズラ好きの二人も、流石にこの一喝で降りた。
「ダメじゃないのプラスル! それにマイナンまで一緒になって! いくらお腹がポヨンポヨンとなるからって、カビゴンは楽器でもなければトランポリンでもないのよ! イタズラもほどほどにしなさい! まったく!」
「はう……ゴメンナサイ」
「ゴメンナサイ……」
ここまで起こるとは思ってもなかったのか? 二人とも涙目だな
そんな二人の様子を見て、ヒナタが強く怒りすぎたと感じたのか、急速に覇気を失っていく。
「もしかしたら……プラスルとマイナン……そこの道を通れずに困ってる人がいるかも知れないってそう考えてあんな事を……?」
イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ、この二人に限ってそれはない。無いと断言出来る。
そもそもイタズラが過ぎてフィオレ地方までコッソリ付いてきたような二人だぞ?
間違いなく、面白そうだからやってみただけだ。他に理由なんか無い。絶対だ。
「あなた達は応援ポケモン……私達のお仕事を手伝ってくれようとしたの?……だとしたら私、ちょっと言い過ぎたかも知れない。だけどそれでも……ちゃんとカビゴンのことも考えてあげないといけないの。プラスル……マイナン……その顔は……よく判ったっていう顔だよね?」
ここぞとばかりにウルウルした目をヒナタに向けよって……あーあ、ヒナタの奴騙されてるよ
なんつーか……ヒナタは良くも悪くも純粋で直情径行な性格だな。色んな事に。
まあ……単純とも言えるか。
嫌いじゃないが、振り回されている現状を考えるとなぁ
まあ俺が甘いだけか……
「よーしオッケー! じゃあいつか私とタカマルが本当の本当に困った時に……私達のことを助けて頂戴ね! 約束よ?」
「はーい!」
「もちろん!」
なに軽く約束してんだよ……いずれ、俺はレンジャーを止めて戻るんだぞ、判ってんのか?
「それじゃあみんな! 元気に遺跡を目指しましょう!」
ま、それをわざわざ今言うことではないが……
楽しそうなヒナタを、ちと心苦しいがなぁ
張り切るヒナタとそれに釣られ楽しそうな二人。
彼女らを後ろからゆっくり追いかけながら……遺跡にたどり着いた。
「カムリさんの言っていた石の彫刻ってコレのこと? これのどこかにスイッチがあるハズなんだけど」
石の彫刻と言うよりは、石版みたいだな。前に見た時もそう思ったが。
ヒナタは軽くあちこちを見渡して、すぐにスイッチとやらを見つけたようだ。
「少し出っ張ってるけどコレがスイッチかな? 迷わず押しちゃえ! ポチッ!」
地響きと共に、彫刻が開いていく。
なんだこれ……遺跡、なのか?
どういう構造で開くんだろう。なんというか、「遺跡」という言葉に似つかわしくない
「ああビックリした……どうする? 入り口みたいだけど入ってみる?」
ここまで引き返しても仕方ないだろう
「それもそうだね。それじゃ、行ってみよう!」
中は四角い螺旋の下り階段。そう深く潜ることなく、下にたどり着けた。
そこから更に入り口をくぐると……かなり広い地下道靴が広がっていた。
光源が見当たらないが、中は明るい。
石畳が敷き詰められていただろう地面はその石畳が剥がされていたが
入り口付近の床などにはシッカリと残されていた。
地底湖なのだろうか、大きな水たまりがあり、床の一部が水没している箇所もあるようだ。
「ジャングルの地下にこんな場所があったなんて!」
ヒナタが驚くのも無理はないな。俺も驚いている。
地下に潜ってしまえば地表の気候は影響しないのだろうが
頭上にはジャングルが広がっているとは想像出来ないほど、
ここは広くそして人の手がシッカリと加えられている。
さて……試練とやらはあそこかな。少し離れた場所に入り口らしき物が見える。
「行ってみましょう」
ヒナタに言われるまま、とりあえず入り口をくぐってみる。
「ひんやりとした空気が流れ出てくるけど、この奥に何があるのかしら?」
そこは小さな部屋になっていて、更に奥へ続く入り口と、下り階段がある。
入り口の両サイドには牙のような角のような、尖ったオブジェが立てられていた。
そして右側のオブジェには石碑が取り付けてある。
「この石碑……文字が刻まれてる。私読んでみるね。「<水の試練>水の竜達が生み出す暴れ水をかいくぐり、汝の道を切り開け。やがて持ち受けるのは、怒れる水の使い。その荒ぶる魂を汝の手で沈めし時、封印の石はかき消え水の試練は終わる」……って書いてあるよ。ちょっと謎めいているわね。タカマルも自分の目で読んでみる?」
小難しく書かれているが、要するに障害を避けて奥へ進めって事か。
そして最奥で最終試練が待っていると……そんなところだろう。
荒ぶる魂を沈める……か。ここがレンジャーの腕試しってことは、やはりキャプチャか?
……遺跡でキャプチャ?
キャプチャってのは昔からあったのか?
スタイラーはそんな昔の技術ではないと思うが……
ご老体とはいえシンバラ教授が遺跡級の人物なんて事はあり得ないし
昔にもスタイラーに似た何かがあったということなのだろうか?
そう考える方が自然か……俺が難しく考えすぎているだけだろうか?
「とりあえず行ってみない?」
そうだな。ここで色々考えていても始まらないか。
中へ入ってみると……細く長い通路が続いている。
その脇には地底湖……というか、人工的に溜められた湖か?
通路から少し離れた位置にあり、通路と湖の間は深い谷底になっている。
湖には何かいるな……いなければ試練にならないな。
試しに渡ってみようとすると……
「ご主人様!」
マイナンが叫ぶ。俺達に向けて、水の塊が飛んできたからだ。
狭い通路から落ちないよう、どうにかしてそれを避ける。
あれは……ギャラドスか。
なるほど、これが「水の竜達が生み出す暴れ水」か
「……ねえ、ギャラドス達にお願いして通れるようにして貰えないかな」
「あ、それいいかも」
いいかもじゃねぇよマイナン。プラスルも呑気なことを言ってるんじゃない。
それじゃ試練にならないししてくれんだろう。
まあ正直……慌てなければ避けられる程度のものだ。頼み込む以前に、どうにか出来る。
左右から発射される「暴れ水」を上手く回避するものの、
どうしても雨のように吹きかかる水までは避けきれず
奥の部屋にたどり着いた頃にはみんなずぶ濡れになっていた。
「タカマルったらびしょ濡れ! そういう私も風邪引いちゃいそうよ」
無事通り抜けられたとはいえ、ここまで濡らされると無事とは言い辛いな
それにしてみすぶ濡れのヒナタは……あーいかんいかん。こんなところで欲情してどうする
白い上着が透けてこう……とかもー、ちょっとヒナタは無防備すぎるな
「私だっていつでも無防備でいつでも濡らして待ってるのに」
なにを言い出し取るんだマイナン……そんな判りきったことを
「……そこまで淫乱じゃないもん」
そうか、それは残念
「いやだから……もう、ご主人様のバカ」
「なにコソコソ話してるの? 二人とも」
「アハハ……まあいつもああなんだよヒナタ」
「ふぅん、やっぱり仲良しなんだねあの二人」
……純粋な目を向けられてそう言われると立つ瀬無いな。
まあいい……気を取り直して、試練だな
この部屋で何かあると思うんだが……
目の前には石で出来た台座と、その上に青い水滴を模したようなオブジェが
あれが「封印の石」なのか?
周囲は水で囲まれている。というか、プールの中に足場があると言った方が良いのか。
とりあえず、あの石を調べるか……
「タカマル!」
俺が中央にある封印の石に近づいた時、突然左右から何かが飛び出した。
あれは……キングドラか?
二人のキングドラが、俺に向かってくる……これはキャプチャしろって事か?
ならばキャプチャするまで……マイナン!
「はーい!」
ここはマイナンの放電で痺れさせてからの方が得策だな。
二匹相手とは言え、そう難しい相手じゃない。難無く、キャプチャ成功。
すると、部屋にあった封印の石が……消えた!?
「キングドラをキャプチャしたら、封印の石が消えた! 一つ目の試練クリアだね!」
いやクリアは良いけどさ……消えた? 跡形もなく?
どうなってるんだこの遺跡……古代の神秘って事で片付けて良いのか?
まあ気にしたら負けなのか……ヒナタは気にしなさ過ぎだと思うんだが。
試練を終え、キャプチャしたキングドラはどこかへ行ってしまった
色々と聞きたいことはあったが……どうにも、答えてくれそうな雰囲気は無かったな。
「さあ戻りましょう!」
ん、まあひとまず戻るか。
来た道を戻り、元の広い場所へ。そこから次の試練を目指す。
中央の石橋を渡り向こう岸へ行く途中、中央付近の十字路に差し掛かった。
十字路とは言っても、南側、入り口方面は途中で崩れ落ちていて実質三方向。
そして北側の通路には、なにやら青い炎が左右に灯っている。
更にその奥には……
「あれは何かしら? 何かの石像のような……」
ヒナタが呟き、その石像まで歩み寄る。
「これはエンテイ……? エンテイの石像だわ! 新しい火山が出来る度に産まれてくると伝えられる伝説のポケモン。こんな堂々とした姿のポケモンを私は他に知らないわ」
エンテイか。ふむ……留守を任せたうちのエンテイは元気だろうか?
堂々とした姿か……確かにそうなんだが、こう、「俺の」エンテイはそれだけじゃないからなぁ
普段は堂々としているが、ちょっと撫でてやるだけで甘えたというか、
全てを俺に委ねてくれる、あの安らいだ笑顔が愛おしかったりするんだよな
まああんな顔を他の誰かに見せる事はないんだろうから、俺が抱く印象の方が特別なんだろうけど。
それはそれとして……良く出来てるなこの石像。
なんというか……本物のエンテイをそのまま石化したような?
ああなんかそう思ったら……いや、まさかな。
「でも……どうしてここにエンテイの石像があるのかしら? カムリさんは遺跡にこんな石像があることは言ってなかったわよね」
言わなかっただけで、あっても不思議じゃないかもなぁ。ここは遺跡だし。
「うーん……でもエンテイって火山に関連するポケモンでしょ? なんでジャングルのこんな遺跡に石像が?」
確かに……まあここで悩むより、後でカムリに聞いた方が良さそうだな
「そうだね」
……そういやゴーゴー団は伝説のポケモンを探していたな。
奴らが探していたのはこのエンテイか?
だとしたら……戻ったらハヤテに相談した方が良さそうだな。
色々疑問は残るが、次の試練へ向かった。
橋を渡り終えたところに入り口があったが、その前に二人の白衣を着た男達が建っている。
「あの人達何してるのかな? 漫才の練習しているわけでもなさそうだし」
何処をどう見れば漫才なんて発想が出てくるんだ……と言いたいところだが
どことなく間抜けな雰囲気を醸し出しているこの二人を見ていると
白衣を着ているものの研究員と言うよりは漫才コンビと言った方が似合いそうではある。
なんというか、白衣を着慣れていない感じが……
いぶかしげに近づいてみると、片方の男が声を掛けてきた。
「いや、申し訳ない。ここの中は我々がものすごく調査中で、今は入れないんだよ」
調査? なんの?
「なんの調査かって? それについてはそちらの研究員がお答えします」
「おいおい! 急に俺に振るなって! と、とにかく、ものすごーく調査してるから、今は入れないんですよ。しばらくすれば終わりますから、後で戻って来てくださいね。絶対に、ね!」
受け答えが漫才のようだ。
あからさまに怪しいが……まあ4つ全てをクリアするつもりはないんだから
ここを飛ばして別の2つをやれば良いだけの話だな。
まあそもそも……俺はここの試練をクリアすること自体、最初から乗り気ではないんだが
なんとなく……さっきの試練も俺がやっちまったが、
本来ならヒナタがやれば良いんじゃないのか?
「私はいいよ。なんていうか……タカマルのキャプチャ見てると凄く良いなって言うか、なんて言えばいいのかなぁ……うん、とにかくタカマルがやってよ。私はそれを見ている方が良いな」
なんだかなぁ……巻き込んどいてやらせるのか。まあいいけど、というか今更か。
とりあえず俺達は別の試練がある入り口へ向かった。
二人組がいたところより北に、また別の入り口があった。
中に入ると……水の試練と同じように小部屋になっていた。
そしてやはり、奥の入り口には左右にオブジェ、そして右側には石碑が付けられている。
「奥からごぉーーーって音が聞こえるけど……アレはもしかして風の音?」
ヒナタが言うように、奥から強い風の音が聞こえる。
「この石碑……何か文字が刻まれてる。読んでみるね。「<風の試練>四方からの強き風に、時に抗い時に委ね、汝の道を切り開け。やがて待ち受けるのは、怒れる風の化身。その荒ぶる魂を汝の手で沈めし時、封印の石はかき消え風の試練は終わる」……って書いてあるよ。何となく判った? タカマルも自分の目で読んでみるといいかも」
風の試練か。となると、この音はやはり風……強き風って奴だろうな。
まあ行けば判るか。俺達は先へ向かった。
予想通り、強い風が吹いている。
立ち止まっていると、そのまま流されそうだ。
が、どうにか逆らって進むことは出来そうだ。
道はくねくねと不規則に曲がった二つの道がある。
どちらがどう違うのか、ここからじゃ判らない。
とりあえず……右の道から行ってみよう。
飛ばされないよう気をつけながら、強風の中を突き進む。
どうやらこちらの道は……ハズレなのか?
ずいぶんと遠回りをさせられたような気がする。
だが慎重に進めばどうと言うことはなく……無事、奥の部屋にたどり着けた。
「さっきの強い風でセットが乱れちゃったわ。タカマルもなんだか涙目になってるし」
目を開けているのも辛いほど強い風だったからなぁ。
さて……ここも水の試練と同じように、石の土台と、今度は緑のオブジェが置かれている。
近づくと……やって来たのはフライゴン!
コイツが怒れる風の化身か。早速キャプチャするか。
にしてもフライゴンか……厄介だな。
風の化身ってことだが、フライゴンは地面/ドラゴンタイプ。
つまり、飛行しているがマイナンの放電が効かない。
ポケアシスト無しでキャプチャしなければならない。
フライゴンはつむじ風のような小さい竜巻状の風を起こし襲ってくる。
この技は何だ? フライゴンは浮遊しているが、あまり飛行タイプの技は使えなかったはず。
エアカッターにしては鋭さがないし……
ここを守護するフライゴンだから、特殊な技が使えるということか?
なんにしても、フライゴンが起こす風を避けながらキャプチャするだけだ。
隙を付いて素早く6回囲み……難無くキャプチャ成功!
「フライゴンをキャプチャしたら、封印の石が消えた! 2つ目の試練もクリアだね!」
やはり水の試練同様、封印の石が跡形もなく消え去り、
そしてキャプチャしたフライゴンは無言のまま去っていった。
「さあ戻りましょう!」
ヒナタに促されるまま入口まで戻る……なんかこう、腑に落ちないというか……
試練と言うほど苦行でもなく、難無く突破してきているが……いいのか?
まあハヤテ達も3つだけ済ませて戻って来たようだし
俺もそうすれば良いだけ……なんだが
なんだろう、この胸騒ぎは……この手の嫌な予感は残念ながら外れたことがない。
さっきの二人組も気になるし……
「どうしたの?」
いや……なんでもない。
「ヘンなの。ね、早く次に行きましょうよ!」
ああ……まあとにかく次で終わりにすればいい、それで良いはずだ……
次の試練に向かう途中、またエンテイの像がある通路の前を通ったが、
今度は緑色の炎が灯っていた。
どういった仕掛けなのかはともかく、試練とやらは機能しているらしい。
試練というか……封印?
なんとなく、そんなイメージが沸く。
試練を全てクリアすると、災いが起こる……というよりは
災いの「元」となる何かの封印を解くことになる……そういうことなのだろうか?
綺麗に並ぶ灯火、その先にあるのはエンテイの像……そういうことなのか?
しかしエンテイは災いを呼び起こすようなポケモンではない……と、思うんだが
そもそも、これが封印を解く行動なのだとして、
何故コレを「試練」と呼ぶんだ?
いや……深く考えても仕方ない。
とにかく次で最後にして、ここを出る。そうすれば良いだけのハズだ。そのハズだ……
「静かね……この静けさは、かえって気味が悪いわ……」
次の試練、その中もやはり、まずは小部屋とオブジェ。そして石碑がある。
そして例の如く、ヒナタが石碑を読み始めた。
「「<破壊の試練>天から舞い降りし者達の破壊の力を借りて、汝の道を切り開け。やがて待ち受けるのは、怒れる破壊の王。その荒ぶる魂を汝の手で沈めし時、封印の石はかき消え破壊の試練は終わる」……そう書いてあるわ。意味判った? タカマルも自分の目で読んでみたら?」
破壊の試練?
水、風と来たから、次は火とか土とか、四大元素で来るかと思ったら……破壊とはね。
今までと明らかに違うが……中もそうなのだろうか?
果たして……その通りだった。
今までにはなかった、妙な装置が左右にあり道をふさいでいる。
中央には大きいフットスイッチらしき物が。
石碑の通りだとすると……「天から舞い降りし者達」とやらの力を借りて、装置を壊せばいいのか?
これがレンジャーのための試練だとするなら、その者達ってのはポケモンだろうなぁ。
「だけど変ね……力を貸してくれそうなポケモンが何処にも見当たらない」
確かに……だが「天から舞い降りし」ってんだから、振ってくるのか?
あの床スイッチを踏めば……とりあえず前に出て、踏んでみた。
予測通り、天井からポケモン……タツベイとグライガーが振ってきた。
こいつらをキャプチャして、あの装置をこいつらでターゲットクリアすればいいんだな。
ある意味、レンジャーの基本通りってわけか。
早速振ってきた二人をキャプチャ。そして彼らの力を借りて装置を破壊。
これを繰り返して進んでいく。
今までの中では一番「レンジャーの試練」にふさわしい内容だが
これが「遺跡の試練」としては一番ふさわしくないというか
あまりにもオーバーテクノロジーが過ぎるというか……
俺は色々と深く考え過ぎなのだろうか?
とりあえず今はこの試練を突破することだけを考えるべきか。
最後の装置を破壊したところで、
ケムッソなどのターゲットクリアに使用していなかったポケモン達が勝手に離れていった
どうやら、奥で待ち構える「怒れる破壊の王」は自力でキャプチャしろっとことらしい。
気を引き締め奥へ進むと、今までと同じように石の台座と紫のオブジェ。
更に近づくと……地響きが!
「タカマル気をつけて! 何か来るわよ!」
現れたのは……ボーマンダか。
破壊の王か……キャプチャするには、確かに厄介な相手だな。
動きはゆっくりだが、時折放つ破壊光線が強力で厄介だ。
慎重に囲めば良いんだが、そうなると飛び立たれた時に厄介。
飛んでいる最中は歩いている時よりも速く、囲みづらい。
更にそこから着地されると、地震のような衝撃波が襲いかかりスタイラーがダメージを受けてしまう。
着陸している時だけ狙って素早く囲もうとしても、唐突に脚を上げ地震を放ってくることもある。
時に慎重に、時に素早く、何度も囲む必要がある相手だ。
コレまでの試練とは比べものにならないほど、ボーマンダは強敵だ。
腕試しという点においては、このボーマンダを相手にキャプチャ出来るかどうか
全てはこの一戦で試されている……そんな気がする。
スタイラーに神経を集中させる。既に酷くダメージを受け、もう耐え切れそうにない。
次に破壊光線なり地震なりを受ければ終わる。
慎重に囲んでいく。飛び立たれたら手早く、ラインを切られないよう一気に!
もう少し……だが、着陸する! すぐにスタイラーを戻し、ダメージを回避する……が、やり直し。
何度となく繰り返す。根気の勝負……
粘り勝ちを手にしたのは……俺だった。ふぅ、こんなに神経すり減らしたキャプチャは初めてだよ
「ボーマンダをキャプチャしたら、封印の石が消えた! これで3つの試練全部クリアね!」
3つか……正直この破壊の試練だけが本番だったって気がするよ。
「タカマル頑張ったもんね!」
まあな……こんなキャプチャ見てて、参考になったか?
「うん! タカマル格好良かったよ!」
ああ、そう言って貰えるのは嬉しいが……参考になったかどうかの答えにはなってないな
まあいい……さあこれで3つ突破したし、遺跡を出よう。
「折角だからもう一つの試練も覗いてみない? もちろん、ちょっと見てみるだけよ」
好奇心は猫をも殺すって言葉、知ってるか?
「なにそれ?」
好奇心に突き動かされて動くと、ろくな事に成らないって事だ。
「でも、折角だし……ね。見ていくだけだからさ。それに……」
何か気になることでも?
「うん……ほら、あの研究員」
ああ、入り口にいたあの二人組か
「どーしてもさ、研究員って感じ、しなかったのよね」
そうか、ヒナタも気付いてたか……
「なんだろう、なんか気になるのよね……だからお願い、ちょっと見ていくだけだからさ!」
そう言われると……断りづらいな
「なら決まりだね」
まあ様子を見に行くだけ……で止まれば良いんだがな
ずっと引きずったままの不安をそのままに、
研究員を名乗る奴らがいた試練の入り口まで来てみたが……いないな。
「さっきの二人がいないって事は、調査が終わったのかな?」
あるいは調査という名目で……とにかく中を見てみよう。
中は他の試練と同じように小部屋だった。直……
「見てタカマル。石碑が壊されてる!」
明らかに人の手で壊された形跡がある。
「石碑が壊されていて文章が読み取れない……4つめの試練をクリアしないように誰かが念のために壊したのかもしれないね」
それだったらいいんだが、
下にその破片らしき物が散らばっているところを見ると……壊されたのはつい最近と見て良いだろう。
「それって……」
つまり、あの研究員の仲間がここで何かをしていた……と考えるのが自然だろう。
とりあえず、その石碑に何が書かれていたかだな。ええっと……
『<炎の……>紅蓮の炎……飛び去りし……おい……し、汝の道……開け……て待ち受ける……炎……龍。その……ぶる……いを…………沈め……き、封印……はかき消え、……のおの……んは……る』
これだけじゃなんのことか判らないが、
以前までの試練にあった石碑の文面に似ていることから、推測するに……
『<炎の試練>紅蓮の炎……飛び去りし……おい……し、汝の道を切り開け。やがて待ち受けるのは、炎の龍。その荒ぶる魂を汝の手で沈めし時、封印の石はかき消え炎の試練は終わる』
序盤は判らないが、後半は多分コレであっているだろう。
試練の内容もおそらくこれまでと同じ……つまり、ここの門番的ポケモンをキャプチャすること。
文面から察するに、そのポケモンは「炎の龍」とされているポケモンか
あの研究員達は中で何をしたんだ?
まだ何も起きていないところを見ると、試練を突破した様子はないが……確かめるしかなさそうだな
チクショウ……嫌な予感が直接心臓を鷲掴みしてる見たいに、なんかズキズキするぞ……
痛む左胸を押さえながら、奥へ……周囲を溶岩に囲まれた広い場所へ出た。
通路には何かが噴き出しそうな穴がいくつも見られるが、近づいても特に作動する様子はない。
気になりながらも更に奥へと向かうと……
「ポケモン・ア・ゴーゴー!! 待ってたぜお二人さん!」
くそっ、やはりこういうことか……ゴーゴー団の四人組が待ち構えていやがった。
そして奴らの後ろには……リザードンがいる。
「急いでいたって、立ち止まれ!」
「耳を揃えて、これを聞け!」
「怒りのリズム、土深く!」
「野望のメロディ、天高く!」
「知らなきゃ話して聞かせてやろう! ヤライ! ユウキ! ヨウジ! ミライ! ゴーゴー団の一押しバンドはいいとこ取りのセレブリティ! 誰が呼んだかその名前……我ら、ゴーゴー4兄弟!!」
ああうざい……こういった前口上はヒーロー側がやるもんだぜ?
もっとも俺がその「ヒーロー側」だなんて言うつもりはないが
「久しぶりだなあんた! 炎の試練にようこそ。君達は確かポケモンを愛するユニオンのレンジャーだったかな? 見ての通りリザードンが酷く苦しがっている。キャプチャしてなだめてあげなくて良いのかな?」
リーダー格の……ヤライだったか。奴がニヤニヤと挑発的な顔で言い放つ。
奴が言う通り、奴らの後ろにいるリザードンはかなり苦しそうだ。
完全に理性を失っている……これは奴らに何かされたと見て良いだろう。
奴らがキャプチャしようとした? だとしたらこの状況は一体……
「ねえタカマル……この4人ってゴーゴー団の幹部か何かなの?」
ああそうだ。ここでニョロトノの騒動があった時に現れ、
クロッカトンネルで落石除去をしている時にはあそこの女のバクーダをキャプチャしたな
「ミライ! 名前くらい覚えなさいよね」
はっ、女とはいえザコい奴の名前なんかいちいち覚えていられるか
「ザコいってあんた……ほんっとに失礼な奴ね!」
などと女が叫んだからか……
「あっ! リザードンが!」
もがきながらリザードンは飛び立ち、俺達の後方へと行ってしまった。
「リザードン凄く苦しそう!」
あんなになるまで……テメェら、リザードンに何をした!
「ほら、リザードンがあんなに苦しがっている。キャプチャしてなだめてやってはどうだ?」
質問には答えず、ヤライがキャプチャを勧めてくる。
「そう、苦しんでいようと私達には関係ないことですからね。あなた達が手を差し伸べてあげたらいいでしょう」
別の男までがキャプチャを……これは考えるまでもなく、俺達に試練をクリアさせる気だな?
ここで試練をクリアしてしまえば……だからといって、あんなリザードンを放っておけるか?
ええい! 大事のために小事を切り捨てるってのは俺の性に合わん!
奴らの企みに乗っかってしまうのは忌々しいが、リザードンをキャプチャする!
その後のことは……その後だ!
とにかくリザードンを追った。今まで反応の無かった穴からは炎が噴き出してきた。
それをかいくぐりながらリザードンを追いかける。
どうにかキャプチャ出来る範囲にまで接近し……キャプチャオン!
リザードンは空に向かい炎を吹き上げ、その炎が地面にばらまかれる
噴火……ともまた違う技だな。というか、こんな技は見たことがないな。
苦しんでいるリザードンが無意識に起こしている技……とでも言うのだろうか?
特にこちらを直接攻撃するような技ではないが、散らばった炎が邪魔でリザードンを囲うのが難しい。
そしてリザードンが炎を吹き上げる度に、キャプチャ途中の状況が全てリセットされてしまう。
つまり、キャプチャするなら炎を噴き出して次の炎を噴き出すまでの間に行わなければならない。
手早く性格に囲む必要がある……これはボーマンダの時とはまた異質の難作業だ。
早くリザードンを苦しみから解放してやりたいが……焦りは禁物。じっくりチャンスを待つしかない。
リザードンはゆっくりと歩くが、とにかく散らばった炎が邪魔で囲むタイミングがなかなか取れない
少ないチャンスを狙いつつ、炎に触れないようラインを引いて……よし、キャプチャ成功!
リザードンはどうにか正気を取り戻せたようだ……
ジッとこちらを見つめ、そして飛び立ってしまった。
リザードンを救うことは出来たが、しかしこれで……
「お見事! 流石ユニオンのレンジャーだ」
いつの間にか近くにまで来ていたヤライが、空々しく俺を褒め称える。
「俺もリザードンのキャプチャを試みたのだが、我々のスタイラーはまだ試作品の段階でな、完全にリザードンをキャプチャ出来なかったのさ」
はっ、それはスタイラーの性能じゃなくてお前らの腕が悪いんだろう?
「いやいや、残念だけどスタイラーのせいさ。更に悪いことに、我々のスタイラーのせいでリザードンをちょっとばかり傷つけてしまうというちっちゃなアクシデントなどもありましてね」
「そんな中、フラフラと!人の良さそーな顔してやって来たのがお前達ってワケだ。礼を言っとくよ、おかげで4つめの試練がクリア出来たんだからな!」
残りの男どもが、バカにしたような口調でベラベラとこれまでの状況を語る
「な、なんのこと? リザードンはキャプチャしたけど、試練なんてクリアしてないけど?」
狼狽しているヒナタが、唇をふるわせながら否定する。
彼女だって、この状況は理解しているだろうが……
「物わかりの悪い人達ね。リザードンをキャプチャすることこそが……4つめの試練だったのよ!」
ミライが勝ち誇ったように言い放つ。言われなくとも、そんな事くらいな……
クソッ! 判っていながらコイツらの企みに荷担する形になってしまった……
優越感に浸っている四人組は、そのまま立ち去る……が、ヤライだけが振り返り、口を開いた。
「この遺跡には、言い伝えがある。4つの試練を全てクリアすると、フィオレ地方に恐ろしい災いが起きるというものだ。そして我々ゴーゴー団はその災いを強く望んでいた……そんなときタイミング良く部下から知らせが入った。どこかの間抜けなレンジャーが試練を受けるために遺跡を目指しているらしいと。俺はすぐに閃いた! そいつらに4つ目の試練もクリアしていただいて、災いを招いて貰おうと! 君達は少しばかり手間取っていたようだが、まあ良しとしよう。それよりも今頃……エンテイの石像が大変なことになってるんじゃないのかな? はっはっはっ!」
高笑いが耳に、心に、痛い……去ろうとするヤライを追いかける気力を無くすくらいに。
災いを強く望んでいた?
奴らはフィオレ地方を混乱させるのが目的なのか?
いやそれよりは多分……
「悔しい……私達騙されたみたい……だけど……災いって一体どんなことが起きるの!? エンテイの石像がどうなるって言うの!? とりあえずエンテイの石像を確かめに行こうよ!」
そう、エンテイだ。奴らの目的は「伝説のポケモン」だ。
一体何が起ころうとしているんだ?
俺達は急いでエンテイの石像があった場所まで駆けつけた。
通路には最後の、赤い灯火が灯されている。だが……それだけ?
石像に異変は……ない?
「試練を4つクリアしたら、何が起こるっていうのよ? 確かに祭壇に灯は灯ったけど……災いどころかとっても綺麗じゃない?」
ヒナタが言う通り、今のところそれだけで特に何も……と思った矢先だった。
地震が起きた。かなり大きい。
揺れながら俺の視界に映し出されていたエンテイの石像が、試練の石のように……消えた。
「……え? エンテイの石像が消えたけど? それがなんなの? 今のが恐ろしい災い?」
この地震が恐ろしい災い……だと?
「どうやら私達、あいつらにからかわれたのね。ドキドキして損しちゃった」
そんなはずはない。コレは単なるプレリュードに過ぎない……そう思いたくはないが。
「タカマル、そろそろ帰らない? 腕試しも終わったし、多分もう何も起こらないよ」
ヒナタのように楽観視出来ればいいが……
いや、ヒナタだって内心判っているはずだ。青ざめた唇がそれを物語っている。
いずれにせよ、今は特に何かが起こる気配がない。
不安を振り払うように、ヒナタが駆け足で出口へと向かっていく。
俺もその後を追う……このまま何事もなければと祈りながら……
だが、祈りが通じるはずもない。
遺跡の外へ出た途端、また大きな地震が……
「この揺れは、ただ事じゃないわ! それに遺跡の地下からものすごい音が聞こえてくる!」
遺跡の中からとてつもない音……地割れ、落石、諸々……
そんな破滅的な状況をイメージさせるに充分な轟音が響いてくる。
「何が起こったのか、調べに戻りましょう!」
ヒナタが遺跡へ振り向くと同時に、スタイラーにメールが
『カムリからタカマルへ。地震だ! 揺れている! どうやら震源地はジャングルの遺跡らしい! 君達のことだ、無事でいるに違いないだろう。無事……だよな? 二人に頼みがある。余震に注意して被害や原因などの調査を進めて欲しい。フォルシティからサマランドに来ている。アリアもそちらに向かっているはずだ……みんなあくまでも自分達の安全を第一に考えるように!……まだ揺れているな?』
アリアが? これは……個人的な感情は抜きにすれば、ありがたい助力となるか。
ともかく、これは俺が引き起こしてしまった「災い」に間違いない。
なら俺の手で、この災いを調べ止めなければ……
地震と遺跡内の異変。そして消えたエンテイの石像。
何がどう繋がっているのか全く見えてこないが、このままゴーゴー団の思うままにさせてたまるか。
「ご主人様……」
大丈夫だマイナン。俺達で、食い止めるぞ。
「そうよ、私達で……行きましょうタカマル!」
ああ……俺達は再び、遺跡の中へと足を踏み入れていく。

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